密教の曼荼羅では、東西南北の四方を「発心」「修行」「菩提」「涅槃」」に配し、東門を発心門、南門を修行門、西門を菩提門、北門を涅槃門と名付けて四門と称しました。また、「発心」「修行」「菩提」「涅槃」」は人の心の修行段階でもあります。
この曼荼羅観にたって、四国霊場は大日如来の全てをはぐくみ、化育する胎蔵界曼荼羅として、貪(むさぼり)、瞋(いかり)、痴(ぐち)の心に宿る三毒を捨て、八十八使の煩悩を消滅する霊場、心身を鍛錬し、心疾を癒す、洗心、罪障消滅、諸願成就の実践の道場として開かれました。
あたかも、お四国は国が四つに分かれており、曼荼羅の四門に合致し、阿波の徳島を発心の道場、土佐の高知を修行の道場、伊予の愛媛を菩提の道場、讃岐の香川を涅槃の道場に配したのです。
越後新四国八十八ヶ所霊場は、この四国霊場を規範として、越後を四道場に区分、配置しました。
今も、お大師さまは生身の大日如来としたて、永遠に衆生済度の道を歩み続けておられます。